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運動による筋疲労の予防と回復

アスリートの皆さんにとって、試合当日最高のパフォーマンスを披露するために、日々のトレーニングとコンディショニングは欠かせません。“筋疲労”をいかに防ぐか、いかに速やかに回復して次の試合に備えるかは、パフォーマンスの質に大きく影響します。
筋疲労は筋収縮力の低下であり、これは激しい運動の持続によってある時点から代謝産物が急激に蓄積を始め、エネルギー(ATP)供給が低下して筋膜脱分極が阻害され、カルシウムイオンの移動が抑制されて筋肉の興奮や収縮が不全となった状態です。さらに過度な運動負荷によって筋肉内のpHは酸性にシフトし、体温は異常に上昇し、タンパク質が変性して、筋肉の機能のみならず筋肉組織自体も障害を受けます。

この筋疲労を予防してパフォーマンスを向上させるために、パフォーマンス前の対策として予備的な全身加温が有効であるということが、すでに2002年ソルトレイクでの冬期オリンピック、クロスカントリーの日本代表選手の成績をもって実証されています(伊藤ら:マイルド加温により誘導されるHSP70による運動能力の向上、日本臨床生理学会雑誌 2008)。
激しい運動負荷の前にあらかじめ体を加温しておくことで、筋肉をはじめ体内のあらゆる細胞には熱ショックタンパク質(HSP)が産生されます。加温によって誘導されるHSPの中で特に重要なのはHSP70で、加温から2~3日後に最も増えて、1週間ほどでまた元のレベルに戻ります。
筋肉細胞中で合成されたHSP70は、ATPの枯渇を防ぎ、乳酸の蓄積を抑え、激しい運動によって筋肉内のタンパク質やDNAが変性するのを防御してくれる作用があります。HSP70のこれらの働きによって、運動中の筋疲労を防ぎ、パフォーマンスを向上させることが知られています。

またパフォーマンス後の対策としては、筋肉に蓄積した乳酸などの疲労物質を排出し、炎症を鎮静化して、筋疲労から速やかに回復するための手段として、不感温度(夏季は33~34°、冬季は34~35°)での重炭酸泉入浴による体温上昇を伴わない血管拡張が有効にはたらく例も観察されています。

自律神経機能の調整

トップアスリートにとって、自律神経の活性度を高い状態に維持して試合に臨むこともパフォーマンス向上に繋がります。結果主義、能力主義の現代にあって、プレッシャーや緊張によるストレス、そして根底にある運動負荷による過度なストレスは交感神経を刺激し続け、副交感神経の活性度が低下して不眠や消化不良を起こし、免疫機能を低下させて病原体に感染しやすくなったり、またアレルギー症状が現れたりといったことが起こり得ます。
これらのストレスダメージをいかに軽減し、本番に備えるか、自律神経機能の調整もアスリートにとっては必要不可欠な課題です。

自律神経の総合的な活性度は、心拍変動解析によって得られる周波数領域パラメータの一つであるトータルパワー(TP)によって評価されます。環境の変化に応じて、自律神経はアクティブモードの交感神経とリラックスモードの副交感神経を交互にスイッチングすることで体を対応させますが、TPの数値が高いほどこの対応はスムーズで、TPは環境適応能力を反映しているともいえます。
TPを高く保つことでアスリートのパフォーマンス向上に繋がることが知られていますが、このTPは加齢や持続的なストレスによって低下します。
TPを上昇させる方法としては、ヨガなどの呼吸法やアロマセラピーでの研究もみられますが、温泉療法もその一つです。温泉療法の非特異的変調作用として『自律神経の調整作用』があることは古くから知られていました。
実際に全身温熱療法を週に1~2回のペースで約2ヵ月間反復して前後で心拍変動解析を行ったところ、元々TPが低い例では2カ月後に多くの例で上昇を認めました。

自律神経均衡度の変化

温浴による適切な加温は、単に副交感神経を優位に するのではなく、自律神経の偏りを調整する方向に働 きかけます。交感神経、副交感神経のどちらに偏り過 ぎても病気の原因になるといわれています。

自律神経調整機能の変化。週に1~2回、計10回の加温前後で 自律神経調整機能が亢進しました。

TP(Total power)を指標とした自律神経調整機 能は年齢とともに低下しますが、全身温熱療法 を繰り返すことで上昇するケースも多く、自律神 経のはたらきがよくなることが期待されます。

体温連動型 全身温熱療法の活かし方

体温連動型の全身温熱療法は、運動の種類によらず、あらゆるタイミングで目的別のプログラムをお試し頂けます。
パフォーマンスアップのためには、HSPの誘導を目指して試合日の2~3日前に平熱+2℃のスタンダード加温プログラムを、試合後には筋疲労やストレスの状態により温水の種類や湯温設定を変えた回復プログラムを、そして怪我の治療中、リハビリ中にあっては、組織修復の促進、慢性疼痛の緩和などを目的としたプログラムをご提案いたします。