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更新日:2019.12.3

温活セミナー

2019年11月14日、加賀山代温泉 萬松閣にて、3ヵ月間の陶板浴反復体験の効果判定をベースに、温熱を継続することによってもたらされる体の好ましい変化について、研究開発担当の奴久妻 智代子が講演しました。

演題:健康寿命を延ばすために ~血流アップの工夫~

厚生労働省の最新資料によると、日本人の平均寿命は男性が81.25才、女性が87.32才で、昭和22年の平均寿命、男性50.06才、女性53.96才と比較すると、男女とも30年以上寿命が延びたことになります。
ですがこれはあくまで平均値、寿命の長短は人それぞれです。それぞれに人生の長さは違うわけですが、肝心なのは寿命尽きるその時までいかに元気に生き抜くか、ということだと盛んに言われるようになりました。

それが『健康寿命』というとらえ方です。

健康寿命というのは、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間で、平均寿命と健康寿命の差が、すなわち日常生活に制限のある要介護期間ということになります。
健康寿命を延ばして要介護期間を減らす一つの手段としてお風呂習慣が有効であることは、千葉大学の大規模な疫学調査※によっても実証されています。

※Yagi A., et al. Bathing Frequency and Onset of Functional Disability Among Japanese Older Adults: A Prospective 3-Year Cohort Study From the JAGES. Journal of Epidemiology 2018.

この報告によると、夏でも冬でも浴槽入浴頻度が週7回以上で、週0~2回と比較して3割近い要介護リスクの減少がみられたとのことです。
温熱習慣が心血管疾患やアルツハイマー病、2型糖尿病、うつなどを改善することも知られており、こういった疾患を予防あるいはその進行を遅らせることで、健康寿命を延ばすと考えられています。

温熱療法による幅広い作用のスタートは、NO(一酸化窒素)の合成による血管拡張ですが、それに続いて起こるすべての反応にはプラスの側面とマイナスの側面があり、また1回の温熱によって体に起こる変化とこれを反復継続することでもたらされる変化にも違いがあって、お一人おひとりご自分に合ったペースと加温法を見つけることが何より大切かと思います。

週2~3回のペースで3ヵ月間、陶板浴を反復することで、今回の体験でも疾病リスクの軽減傾向が認められており、健康寿命延伸のための温熱習慣は今後も注目の研究分野です。