サウナでととのうの紹介ページです。スタッフコラムを掲載しています。

 

更新日:2021.02.22

サウナでととのう

自律神経を調整する手段として、サウナがいま注目を浴びています。
サウナ発祥の地はフィンランドといわれますが、日本でも古来より洞窟などを利用した蒸し風呂の習慣はあったようです。熱い蒸気を充満させた空間で表皮の血流を開き発汗を促す“発汗浴”とも呼べる形態は、まさにサウナです。

人気サウナの醍醐味は、現代社会で普通に生きている我々にはなかなか得る機会のない、血管に対する激しい揺さぶりです。
高温・多湿のサウナによって交感神経が刺激され、初期には血管収縮が起こりますが、しばらく暑熱環境に身を置けば体表面の血管は拡がり、血流量は増加して、大量の汗をかき始めます。ダクダクと流れ落ちるような汗の反応は交感神経の仕業です。
呼吸が早くなり心拍が上昇して、十二分に発汗浴を満喫した後は、温度差急降下の冷水浴でさらに交感神経を刺激し、体表面の開ききった血管を一気に収縮させます。サウナ浴室内では血液が体表面に集中するため、深部温は下がりますが、続く冷水浴は、体に入ったサウナの温熱を深部に集中させる役割も果たしています。

高温・多湿サウナと冷水浴を用いた交感神経の嵐を適宜繰り返した後、快適な温度の外気浴へと環境を移すことで、体は副交感神経優位の弛緩状態に入る準備をします。深部に蓄えられた熱は血流に乗って末梢まで運ばれ、酸素が脳をはじめとする各組織へ届けられると、少し前まで繰り返されていた交感神経刺激によるアドレナリン作用の名残の中で、弛緩した体と活性化する脳が幽体離脱するように感ずる瞬間が訪れます。
血管にこのような非日常的刺激を与えることで、脳の下垂体からは脳内麻薬といわれるβ-エンドルフィンや幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが放出され、臥薪嘗胆の末、頂きに到達した者のみが授かる体へのご褒美のような至福の刻が訪れます。
一説には、それが“ととのう”の正体だといわれています。

ただし、冷水に体が慣れるほどに浸かり過ぎると、伝導伝熱により体の熱は水に奪われて深部体温も再び下がりますので、冷水浴の時間はそれを刺激と感ずる短い間に設定されているようです。実際にラットを使った交代浴実験では、温熱浴と冷水浴を繰り返すたびに直腸温は下がり、開始前の直腸温を下回ってきますので、冷やし過ぎによる体温低下には注意が必要です。加えて、温め過ぎによる脱水が招く血流低下にも十分気をつける必要があります。サウナに限らず、やり過ぎは禁物です。

“ととのう”瞬間は、医療施設で提供される温浴療法でも体験することができます。

昨年開催された第20回日本抗加齢医学会でも報告しましたように、様々な疾病の治療サポートである温浴を使った全身温熱療法も、自律神経機能を調整することが実証されています。こちらは深部体温の上昇を重視し、免疫賦活に繋げています。

ご自分に合った温熱の方法を見つけて、体をととのえましょう。