女性特有の不調と温熱療法の紹介ページです。スタッフコラムを掲載しています。

 

更新日:2020.12.7

女性特有の不調と温熱療法

卵巣機能不全による不妊症や、女性ホルモンの低下が招く様々な更年期症状に対する対策の一つとして、温熱療法が有効である可能性が示唆される論文をご紹介します。

若年成人女性における卵巣ホルモンおよび細胞外Hsp72応答に及ぼす高度全身温熱療法の影響

Effects of severe whole-body hyperthermia on ovarian hormone and extracellular Hsp72 responses in young adult women
Marius Brazaitis 1 , Nerijus Eimantas 1 , Neringa Baranauskiene 1 , Sandra Kilikeviciene 1 , Astra Vitkauskiene 2 , Laura Daniuseviciute 3
Int J Hyperthermia. 2019;36(1):65-74.(PMID: 31317816)

要約

● 背景
急性の熱ストレスは、ヒートショックプロテイン72(Hsp72)の細胞内および細胞外濃度を上昇させる最も効果的な刺激因子の一つですが、17β-エストラジオールは、熱誘発性Hsp72発現を阻害することが示唆されています。

● 材料および方法
湯温約44℃、ウエストラインまでの浸漬で誘発される高度の全身温熱(39.5℃までの直腸温の上昇(平均所要時間:54.6分))が、ホルモン(17β-エストラジオール、プロゲステロン、プロラクチン、エピネフリン、ノルエピネフリン)および細胞外Hsp72応答を調節するのに十分な刺激であるかどうかを明らかにするために、月経開始から数えて5~7日間後の卵胞期の若年成人女性(21±1歳)を対象に調査しました。

● 結果と結論
本研究では、高度の全身ハイパーサーミア(ベースラインから直腸温プラス2.6℃、心拍数プラス80bpm)により、17β-エストラジオール、プロゲステロン、プロラクチン、ノルエピネフリンの濃度が上昇することが示されました。更に、若年成人女性を対象とした高度の全身温熱療法では、細胞外Hsp72とエピネフリンの濃度は影響を受けませんでした。受動的な熱ストレスにより誘導される卵巣ホルモンの発現は、機能的な観点から若年成人女性のエストロゲン療法や女性の健康全般の治療に役立つ可能性があると考えられます。

卵胞ホルモン(エストロゲン)について

更年期障害では卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少することで自律神経失調、精神症状、血管運動症状(ホットフラッシュ(ほてり、発汗))や冷え、不眠、疲労感などがあらわれる。
卵巣機能不全による不妊症や卵巣摘出による卵巣欠落症状などでは卵胞ホルモンの不足がおこる。エストロゲン製剤は骨粗しょう症に使用する場合もある。


当院では、不妊症や更年期障害にお悩みの患者様にも全身温熱療法をお受け頂いております。