赤血球のソーシャルディスタンスの紹介ページです。治療症例コラムを掲載しています。

 

更新日:2021.03.24

赤血球のソーシャルディスタンス

わたしたちの体を構成する細胞は37兆個といわれますが、その細胞のお世話をしているのは血液です。
血液は液体成分である血漿と固形成分である血球とからなり、人が生きるために必須のエネルギー代謝や免疫をはじめとする生体防御になくてはならない体内インフラ、毎日24時間、休むことなく体中を巡ってくれています。

血液中の白血球は、外側から侵入したウイルスなどの微生物や内側で生じたがん細胞などの異常細胞、老化した不要な細胞などを常に監視しそれらを見つけて排除する働きを備えます。
白血球には、細菌やカビのような大きめの病原体に対抗する顆粒球、ウイルスのような小さめの病原体やがん細胞に組織的に対抗するリンパ球、異物をそっくり食べてしまう単球などの仲間がいます。
顆粒球はさらに好中球、好酸球、好塩基球に分かれます。
リンパ球も大きくは胸腺由来のT細胞と骨髄由来のB細胞、ナチュラルキラー細胞の3種類に分かれ、必要な働きに応じてさらに分化していきます。
出血が起こると血小板が動員され、足を伸ばして出血箇所を覆い、血が漏れ出るのを防ぎます。

そして、血球の中でいちばん数が多いのは赤血球で、血球成分の実に95%以上を占めます。エネルギーの材料である酸素を運んで組織に届け、代謝によって生じた炭酸ガスを肺まで運んで排出する役割を担うのは、赤血球です。赤血球がスムーズに流れることが、エネルギー産生の第一歩です。

冷えて体温が低い人、肉好きで野菜嫌いな人、甘い物が止められない人、運動嫌いな人、
そんな方々の血液を暗視野顕微鏡で観察すると、赤血球同士が重なり合って見えることがあります。

このような赤血球の状態は、積み上げた小銭が崩れた時の様子に似ていることから“連銭形成”と呼ばれます。
“密”な連銭形成の状態では赤血球の表面積が極端に狭くなるため、酸素を結合することができず、酸素運搬という大切な赤血球の責任を果たすことができません。

赤血球のソーシャルディスタンスを回復し、1個1個の細胞が最大限の役割を果たせるように、適度な運動やアルカリ性を意識した食事に留意し、必要十分な睡眠をとることは基本ですが、膝が痛くて腰が痛くて運動ができない、胃腸が弱って食事がとれない、悩みが尽きずに眠れない…というように何十苦も抱えていらっしゃる場合には、まずは体がポカポカするまで温めてみましょう。

すると赤血球同士がほぐれてきます。

温めが白血球を元気にして免疫を高めることは、コロナの流行とともによく理解されるようになってきましたが、白血球の1,000倍近くを占める赤血球にとっても、温めは動きやすい環境をサポートする有効な手段です。

そして赤血球が流れる血漿の量を確保するためにも、温める前・中・後で、ご自分がちょうどよいと思っているより気持ち多めにお水を飲みましょう。