医師 成井諒子の紹介ページです。 成井諒子の経歴や資格・専門等、所属学会を掲載しています。

 

医師 成井諒子

『まだ、できることがあるはず』

私はこれまで外科医としてがん診療の現場にいました。手術に加え抗がん剤治療も行っていました。手術や抗がん剤でがんが治癒する方をたくさん見てきました。一方で、手術をしても抗がん剤を使っても、再発する人、命を落としてしまう方もたくさん見てきました。

西洋医療で治らないことに絶望した患者さんから代替医療についての相談を受けることもありました。手術が終わった方から「今後食事はどうしたらいいですか?」「普段の生活ではどんなことに気をつけたらいいですか?」と聞かれることもありました。私は十分に答えることができませんでした。

西洋医療と代替医療の両方を用いる統合医療という分野があることや、英米ではその研究が進んでいることを知り、ロンドンにある統合医療クリニックで実習し、米国アリゾナ大学の統合医療コースを受けました。食事、運動、瞑想、鍼、サプリメント、心理療法など様々な統合医療の実際について学びました。

現代の医療は、エビデンス至上主義ともいわれます。これは、わかりやすくいってしまえば、同じ状態の患者グループに対して70%の効き目のある薬と、50%の効き目のある薬であれば、70%のものを使うべきだ、という考え方です。これは非常に合理的な考え方であり、多くの人にとってよりよい結果をもたらすと思います。

しかし、人間は一人ひとりが違う人生を生きてきたはずです。医療に何を求めるのか、という点についても違う考え方を持っているかもしれません。一人ひとりの患者さんとの対話を通じて、どんな人生を送ってきたのか、何を求めているのかを確認し、その人に合った医療を模索する、というアプローチも近年注目されています。ロンドンの大学院ではそんなことを学びました。

私は手術や抗がん剤などの現代西洋医療の有効性も身を持って体験してきたので、それらを否定するつもりはありません。ただ、残念ながらそれだけでは治らない患者さんが多くいることも事実です。

一般的な西洋医療に、食事や生活習慣、ソアラシステムを用いた体温連動型 全身温熱療法など様々な工夫を組み合わせることで、患者さんが普段通りの生活を送れる時間、病気であることを忘れられる瞬間を少しでも増やすようお手伝いします。

多くのことを学んだつもりでいましたが、サーモセルクリニックで患者さんから様々な経験や想いを聞き、知らないことがまだまだたくさんあったということに気づかされる毎日です。これからも勉強を重ね、そして患者さんと語り合いながら、まだ何かできることはないのか、一緒に見つけていきたいと思います。

経歴

  • 2007年 神戸大学医学部医学科卒業
  • 2007年 名古屋大学医学部附属病院
  • 2009年 半田市立半田病院
  • 2012年 外科専門医取得

2012年 ロンドンで唯一保険適用で統合医療を行うRoyal London Hospital for Integrated Medicineが、統合医療医を目指す医師向けに開講しているIntegrating Complementary Medicineコース(通信教育3ヶ月、病院実習3ヶ月)を修了

2014年 CWAJより奨学金を得て、Narrative Based Medicineの提唱者であるKing’s College London Prof. Brian Hurwitzのもとで、Medical Humanities (MSc)で人文学修士号取得

2015年 統合医療の祖であるDr. Andrew Weilが主宰するArizona Center for Integrative Medicine: Integrative Medicine Fellowship(アリゾナでの3回の実習を含む2年間のコース)を修了

2015年 精神分析研究所であるロンドンのThe Tavistock and Portman にて、海外の医師向け に行われている6ヶ月間のVisitors’ programmeを受け、精神分析的アプローチを学ぶ

2015年9月より サーモセルクリニック勤務(非勤務日には外科医として救急外来、手術等に携わる)