対象となる患者様(甲状腺がん)の紹介ページです。甲状腺がんの基礎知識(原因、分類、症状、検査方法、ステージ、治療方法)や温熱療法の活かし方を掲載しています。

 

甲状腺がんの患者様

甲状腺は首の前方、のどぼとけのすぐ下にあり、大きさは、4cmほど、重さが18g前後です。すぐ後にある気管を抱き込むように蝶が羽をひろげたような形状です。
ごく薄く柔らかい臓器なので、普段は首を触ってもわかりませんが、少しでも腫れてくると、手で触ることができます。ある程度以上に大きくなると「首の腫れ」から甲状腺の異常や病気に気付く人も少なくありません。
甲状腺は内分泌器官のひとつで、性ホルモンを作る臓器です。食物(海藻など)に含まれているヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを合成しています。
甲状腺ホルモンは、食物として摂取されたたんぱく質、脂肪、炭水化物をエネルギーへと変換させる新陳代謝の過程を刺激したり促進したりする作用があります。
甲状腺ホルモンには、ヨウ素の元素を4つ持っているサイロキシン(T4)と、3つ持っているトリヨードサイロニン(T3)の2種類があります。
甲状腺ではおもにT4を作っていて、このT4が肝臓などにいってT3になり、これがホルモンの働きを発揮します。

甲状腺がんとは?

最近の研究で体内細胞数は約37兆2000億個(以前は60兆個)と言われています。その天文学的数の細胞は、常に磨耗または破壊されています。身体は消耗、衰弱している細胞が死んでいく前にその機能を補完するため、その細胞のコピーを産生しようとします。この過程で遺伝子の転写エラーや体内の環境や有害物質のために正常細胞分裂過程において、毎日数万回もの間違いを引き起こしています。これらの間違いの大部分は訂正されますが、間違った遺伝情報で新しい細胞が作られ、時には、細胞の生育能力を阻害するのではなく、新たに作られた細胞が無秩序に増殖することを可能にする間違いがあると、その細胞は正常な細胞増殖を制御するチェックおよびバランスが乱れ、異常分裂を開始し、がん細胞を産生します。これが起こると、がん細胞が増殖し、がん性または悪性腫瘍を発生させる可能性が高くなります。
甲状腺がんの約80~90%が乳頭がんです。このがんは進行が遅く、転移の可能性も低く患者の10年生存率で高い治療率を示します。しかし、約10%ほどは悪性腫瘍に変異し、甲状腺の嚢を突き抜けたり拡張したりする悪性腫瘍は、局所再発率が高いため、進行が急激でほとんどの患者が半年以内に死亡するという怖い種類のがんです。高齢者ほど変異の可能性は高くなります。
乳頭状甲状腺がんは3:1の割合で男性よりも女性多く、発症ピーク年齢は30〜50歳です。

症状

甲状腺がんの初期段階では、多くの患者は自覚症状を経験することさえありません。
多くの場合、乳頭状甲状腺がんの最初の徴候は、頸部前部にある甲状腺の痛みのないしこりであり、このしこりは甲状腺結節と呼ばれます。
痛みはありませんが、医師の触診などで発見されることがよくあります。しかし、甲状腺結節は他の徴候や症状を引き起こす可能性があります。

首の腫れ

すべての甲状腺結節が目立つ程の大きさではない場合もあります。あなた自身では気が付かず、鏡で見ることができない場合でも周囲の人により目視されることもあります。特に飲食時の嚥下(飲み込む)により他の人があなたの首のしこりに気が付くことがあります。しかし、甲状腺のしこり(および潜在的な甲状腺がん)が検出される最も一般的な方法は、医師が甲状腺の検査を行い、甲状腺の異常を発見した時です。

リンパ節の腫れ

甲状腺がんはリンパ節に広がることがあります。頸部の腫れたリンパ節は、甲状腺がん(甲状腺結節に関連しない症状)の別の症状です。通常リンパ節は身体の免疫機能を司りウィルスなどの病原菌や感染元との戦いを助けます。その際、あなたの頸部のリンパ節(あなたの顎の下でそれらを感じることができます)は、例えば悪寒または咽喉の感染がある場合に腫れ、感染元がなくなったら、正常な状態に戻ります。しかし、病気が治った後も首のリンパ節の腫れが長期間拡大している場合は、医師に相談するか病院を受診してください。

うずまき声

甲状腺は喉頭のすぐ下にあります(一般的に声帯として知られています)。甲状腺結節(甲状腺がんである可能性があります)がボイスボックスを圧迫して、声の変化を引き起こしている可能性があります。これは甲状腺がんが検出される珍しいケースです。

嚥下困難または呼吸困難

甲状腺は気管の上部にあるので、進行中の甲状腺がんが気管を圧迫し、呼吸をより困難にする可能性があります。また、食道は気管の下にあるので、再び甲状腺がんが発症すると、嚥下障害を引き起こす可能性があり、これもまた、甲状腺がんが検出される珍しいケースです。

頚部の痛み

痛みは、通常、身体が発する危険信号ですので、あなたが数週間以上続く頚部の痛みを抱えている場合は、原因を突き止めるために医師に相談してください。甲状腺がんは頸部の痛みはまれな原因ですが、首の痛みと他の症状のいくつかが重なった場合は、必ず医師に伝え、検査を受診して下さい。

喉の痛み

首の痛みと同様に、喉の痛みが消えない場合は、医師に相談してください。甲状腺がんの症状である可能性があります。
甲状腺がんには、乳頭状甲状腺がん、濾胞性甲状腺がん、髄様甲状腺がん、および未分化甲状腺がんの4種類があります。

検査方法

  • 問診、触診、視診
  • 超音波検査
  • CT、MRI検査
  • 甲状腺シンチグラフィー
  • 腫瘍シンチグラフィー
  • 穿刺吸引細胞診
  • 血液検査

など

ステージ別の進行状態

乳頭がん、濾胞(ろほう)がん

Ⅰ期 がんが、頸部(けいぶ:のどのこと)にとどまっており、ほかの臓器に転移していない
標準治療方法:手術・放射線
Ⅱ期 がんが、肺、骨などの離れた臓器にまで転移している
標準治療方法:手術・放射線・化学療法(抗がん剤)

出典:甲状腺癌取扱規約(第6版)

乳頭がん、濾胞(ろほう)がんの病期(45歳以上)、および髄様(ずいよう)がん

Ⅰ期 がんが、甲状腺の中にとどまっている(大きさ:2cm以下)
標準治療方法:手術・放射線
Ⅱ期 がんが、甲状腺の中にとどまっている(大きさ:2cmを超え、4cm以下)
標準治療方法:手術・放射線・化学療法(抗がん剤)
Ⅲ期 がんの大きさが4cmを超える
がんが、甲状腺のすぐ外側まで広がっている(リンパ節への転移なし)がんが、甲状腺のすぐ外側まで広がっている[気管、喉頭(こうとう:声帯のある部分)周辺のリンパ節に転移している]
標準治療方法:放射線・化学療法(抗がん剤)・免疫療法
Ⅳ期A がんが、頸動脈(けいどうみゃく:のどにある太い動脈)の外側のリンパ節や胸の中心上部のリンパ節に転移している
がんが、甲状腺の外側の臓器に広がっている[皮膚、咽頭(いんとう)、気管、食道、反回神経(はんかいしんけい)など]
標準治療方法:化学療法(抗がん剤)・免疫療法
Ⅳ期B がんが、甲状腺の外側まで大きく広がっている[椎骨前筋膜(ついこつぜんきんまく)、胸の中心部の血管や頸動脈(けいどうみゃく:のどにある太い動脈)など]
肺や骨などには転移していないが、リンパ節への転移がある
標準治療方法:化学療法(抗がん剤)・免疫療法
Ⅳ期C がんが、肺や骨などの離れた臓器にまで転移している
標準治療方法:化学療法(抗がん剤)・免疫療法

出典:甲状腺癌取扱規約(第6版)

未分化がん

Ⅳ期A がんの大きさにかかわらず、甲状腺の中にとどまっている(リンパ節への転移は含まれる)
標準治療方法:化学療法(抗がん剤)・免疫療法
Ⅳ期B がんが、甲状腺の外側まで広がっている(リンパ節への転移は含まれる)
標準治療方法:化学療法(抗がん剤)・免疫療法
Ⅳ期C がんが、肺や骨などの離れた臓器にまで転移している
標準治療方法:化学療法(抗がん剤)・免疫療法

出典:甲状腺癌取扱規約(第6版)

体温連動型 全身温熱療法の活用方法

がんの告知を受けた患者様、再発と診断された患者様、また治療中の患者様から、それぞれのステージに応じて様々な不安やお悩みが寄せられ、治療に対するお問い合わせをいただきます。

0期
  • 何もしないのは不安
  • 家族にがん患者がいて心配
  • 白血球を増やして免疫を上げたい
Ⅰ期
  • 手術前に体力をつけたい・傷の治りを早くしたい
  • 免疫を上げたい・再発を予防したい
Ⅱ期
  • 手術前に体力をつけたい・傷の治りを早くしたい
  • 免疫低下が心配・転移や再発が不安
  • 抗がん剤の副作用がある
Ⅲ期
  • 抗がん剤や放射線の副作用が強い
  • 体力や免疫が低下して、治療が続けられるか不安
  • 遠隔転移が心配
Ⅳ期
  • 抗がん剤が効かなくなってきた
  • 治療の副作用が心配・痛みが強い
  • QOLを向上させたい

体温連動型 全身温熱療法は、全てのステージの患者様の不安やお悩みにお応えし、治療のサポートに努めます。

Ⅰ期
  • 免疫機能の賦活
  • 手術後の感染を予防し、創傷治癒を早める
  • 再発予防
Ⅱ期
  • 免疫機能の賦活
  • 手術後の感染を予防し、創傷治癒を早める
  • 再発予防
  • 痛みの緩和
Ⅲ期
  • 免疫機能の賦活
  • 抗がん剤副作用軽減
  • 抗がん剤の運搬・作用補完
  • 分子標的治療薬の作用補完
  • 痛みの緩和
Ⅳ期
  • 免疫機能の賦活
  • 抗がん剤副作用軽減
  • 抗がん剤の作用補完
  • 分子標的治療薬の作用補完
  • 食欲や睡眠の改善
  • 痛みの緩和

温熱療法と食事療法の併用

根本的ながんの治療には生活習慣の改善がなにより重要です。生活習慣の改善は、どんな患者さんでもどの段階からでも始められる治療法の一つです。
「からだをあたためる」ことに加え、「食生活を見直す」ことも、がんに負けない体づくりの一環です。がんの成長には多くの糖分を必要とするため、第一に糖分を控えることが重要です。また、がんはその周囲を酸性に保つことで自身を防御しますが、糖分を使ったエネルギー合成によりがん細胞の中で産生される酸を、細胞外のナトリウムと入れ換えることで排出するため、塩分を控えることも重要です。
糖分や塩分を控えた献立の工夫や、酸性に傾いた体をアルカリ性に保つ工夫を、医師の指導と定期的なチェックで実践して頂くことができます。
食生活の改善は、がんが育ちにくい体をつくるとともに、動脈硬化の予防や改善にもプラスの作用をもたらし、温熱療法時の血流アップを助けるため、結果的に温熱療法の作用を高める効果も期待されます。