対象となる患者様(卵巣がん)の紹介ページです。卵巣がんの基礎知識(原因、分類、症状、検査方法、ステージ、治療方法)や温熱療法の活かし方を掲載しています。

 

卵巣がんの患者様

卵巣は子宮上部に左右一対、卵管の後下方に位置する女性特有の器官です。
卵巣は白色で、母指頭大、アーモンドの様な形状で、卵巣の内方は卵巣固有靭帯によって子宮に、外方は卵巣堤索によって骨盤壁に支持されています。
卵巣は、卵子の生成、成熟、排卵をおこなう生殖器官であるとともに、性ホルモンを分泌する器官でもあります。卵巣の中の卵胞は、脳下垂体前葉からの卵胞刺激ホルモンの作用で発育し、排卵へ至ります。
ちなみに原始卵胞(卵子の元)は、数に限りがあります。生後まもない時は、約200万個、思春期までには約20~30万個へと減少、その後は1ヵ月間に約1000個の原始卵胞がなくなっているといわれます。

卵巣がんとは?

最近の研究で体内細胞数は約37兆2000億個(以前は60兆個)と言われています。その天文学的数の細胞は、常に磨耗または破壊されています。身体は消耗、衰弱している細胞が死んでいく前にその機能を補完するため、その細胞のコピーを産生しようとします。この過程で遺伝子の転写エラーや体内の環境や有害物質のために正常細胞分裂過程において、毎日数万回もの間違いを引き起こしています。これらの間違いの大部分は訂正されますが、間違った遺伝情報で新しい細胞が作られ、時には、細胞の生育能力を阻害するのではなく、新たに作られた細胞が無秩序に増殖することを可能にする間違いがあると、その細胞は正常な細胞増殖を制御するチェックおよびバランスが乱れ、異常分裂を開始し、がん細胞を産生します。これが起こると、がん細胞が増殖し、がん性または悪性腫瘍を発生させる可能性が高くなります。
卵巣にできる腫瘍は、85%は良性です。また、悪性度が比較的低い、境界悪性腫瘍と呼ばれる卵巣がんもあります。
卵巣の腫瘍はその発生する組織によって大別され、上皮性、胚細胞性、性索間質性などの種類があります。
最も多いのは、卵巣の表層をおおう細胞に由来する上皮性腫瘍で、この中には良性腫瘍と悪性腫瘍のほかに良性、悪性の中間的な性質をもつ腫瘍(境界悪性腫瘍)があります。
上皮性腫瘍は主に4つの細胞型に分けられ、それぞれ異なった性格をもっています。上皮性のがんは卵巣がんの90%を占めています。

卵巣がんになる原因・リスク要因

  • 高年齢
  • 出産未経験
  • 初潮年齢が早い
  • 閉経が遅い
  • 肥満
  • 長期の女性ホルモン治療
  • 偏った食事

など

症状

卵巣がんができても、はじめはほとんど自覚症状はありません。下腹部にしこりが触れたり、そのしこりで膀胱が圧迫されて尿が近くなるなどの症状があって初めて受診することが多いのですが、このようなときは既にがんが進行していることも少なくありません。卵巣がんは進行すると転移しますが、がんが大きくなる前に転移する場合もあります。卵巣がんの場合、腹腔内の臓器にがん細胞が散らばっていく播種という転移が中心になります。おなかの中にがんが広がることでお腹に水がたまって腹部全体が張ってくる、胸にまでがんが広がることで胸に水がたまって息切れがするといった症状が出て初めて異常に気づくことも少なくありません。
卵巣がんは症状を自覚しにくいため、受診が遅れがちになります。早期発見の有効な方法はまだありませんが、腹部の違和感があった場合には、早めに婦人科を受診することが大切です。

検査方法

  • 内診
  • 直腸診
  • 超音波検査
  • CT検査
  • MRI/PET検査
  • 血液検査

ステージ別の進行状態

Ⅰ期 片方、または両方の卵巣内に留まっている状態です
標準治療方法:手術・放射線
Ⅱ期 がんは一方または両方の卵巣にあり、骨盤内の他の場所に転移しています。ステージ2Aは、卵巣から卵管、子宮、またはその両方に転移した状態です。ステージ2Bは、がんが膀胱、S状結腸または直腸のような近くの器官への転移を示します。
標準治療方法:手術・放射線・化学療法(抗がん剤)
Ⅲ期 がんは卵巣の1つまたは両方、ならびに腹部の内層に見られるか、または腹部のリンパ節に広がっています。
標準治療方法:放射線・化学療法(抗がん剤)・免疫療法
Ⅳ期 最も進行した段階です。遠隔転移を起こしています。
標準治療方法:化学療法(抗がん剤)・免疫療法

体温連動型 全身温熱療法の活用方法

Ⅰ期
  • 手術前に体力をつけたい・傷の治りを早くしたい
  • 免疫を上げたい・再発を予防したい
Ⅱ期
  • 手術前に体力をつけたい・傷の治りを早くしたい
  • 免疫低下が心配・転移や再発が不安
  • 抗がん剤の副作用がある
Ⅲ期
  • 抗がん剤や放射線の副作用が強い
  • 体力や免疫が低下して、治療が続けられるか不安
  • 遠隔転移が心配
Ⅳ期
  • 抗がん剤が効かなくなってきた
  • 治療の副作用が心配・痛みが強い
  • QOLを向上させたい
Ⅰ期
  • 免疫機能の賦活
  • 手術後の感染を予防し、創傷治癒を早める
Ⅱ期
  • 免疫機能の賦活
  • 手術後の感染を予防し、創傷治癒を早める
  • 再発予防
  • 痛みの緩和
Ⅲ期
  • 免疫機能の賦活
  • 抗がん剤副作用軽減
  • 抗がん剤の運搬・作用補完
  • 分子標的治療薬の作用補完
  • 痛みの緩和
Ⅳ期
  • 免疫機能の賦活
  • 抗がん剤副作用軽減
  • 抗がん剤の作用補完
  • 分子標的治療薬の作用補完
  • 食欲や睡眠の改善
  • 痛みの緩和

温熱療法と食事療法の併用

根本的ながんの治療には生活習慣の改善がなにより重要です。生活習慣の改善は、どんな患者さんでもどの段階からでも始められる治療法の一つです。
「からだをあたためる」ことに加え、「食生活を見直す」ことも、がんに負けない体づくりの一環です。がんの成長には多くの糖分を必要とするため、第一に糖分を控えることが重要です。また、がんはその周囲を酸性に保つことで自身を防御しますが、糖分を使ったエネルギー合成によりがん細胞の中で産生される酸を、細胞外のナトリウムと入れ換えることで排出するため、塩分を控えることも重要です。
糖分や塩分を控えた献立の工夫や、酸性に傾いた体をアルカリ性に保つ工夫を、医師の指導と定期的なチェックで実践して頂くことができます。
食生活の改善は、がんが育ちにくい体をつくるとともに、動脈硬化の予防や改善にもプラスの作用をもたらし、温熱療法時の血流アップを助けるため、結果的に温熱療法の作用を高める効果も期待されます。