家族間の遺伝リスクの紹介ページです。斎藤院長コラムを掲載しています。

 

更新日:2018.04.15

家族間の遺伝リスク

娘を持つ父親にとって、とてもショッキングな研究報告です。
俗説で「娘は父親に似、息子は母親似」と、似て欲しく無いものまで遺伝しているようです。

米国の研究者は、自覚症状が少なく転移の危険性が高い「卵巣がん」のリスクを高める遺伝子、その遺伝子は父親から娘に伝達されたものであるとの研究報告と共に、この研究により、「卵巣がん」の発症リスクが母娘間より姉妹間の方が高い理由が解明されたと発表しました。科学誌PLoS Geneticsに掲載されました。

家族間の遺伝リスク

現在、がんの家族歴がある女性は、「乳がん」および「卵巣がん」を発症する可能性が非常に高い「BRCA遺伝子」を検査することで発症リスクを知ることができます。
女優の「アンジェリーナ・ジョリー」は母親からBRCA1を受け継いだとのことで、「乳がん」のリスクが87%、「卵巣がん」のリスクが50%と推定され、予防のため除去手術を受けたことは有名です。しかし、研究者らは、「卵巣がん」に関してそのリスクとは別の遺伝的リスクの存在を疑い、研究を重ね、そのリスク遺伝子の一つとして X染色体にある遺伝子の存在を明らかにしました。

父親は娘に1つのX染色体を渡します

ロズウェル・パーク・がん研究所のKevin Eng博士らは、父親からのX染色体にあるMAGEC3と呼ばれる疑わしい遺伝子について研究、父親(および父方の祖母)から継承された遺伝子に関連する「卵巣がん」が、母親の遺伝子に関連するものより早く発症、父親および息子の前立腺がん率も高いことを突き止めました。
そして、「すべて似通ったパターンと診断された3人の娘を持つ家族は、BRCAの突然変異よりも父親から継承されたX染色体上の遺伝子の突然変異による発症の可能性の方が高い」と結論付けています。
「卵巣がんは早期発見が困難で、治療が難しいために重要であり、卵巣がんの家族歴を持つ女性は、今後、この病気の発症リスクを理解するのに役立ち、さらなる研究によって裏付けられた場合、これらの発見は、卵巣がん予防において重要な一歩を踏み出し、何千人もの命を救うだろう。」と。今後の研究成果に注目しましょう。