DNAの従来の概念を覆す、新発見が相次いでいます。の紹介ページです。斎藤院長コラムを掲載しています。

 

更新日:2017.08.9

DNAの従来の概念を覆す、新発見が相次いでいます。

サーモセルクリニック院長の斎藤糧三です。

「DNA」=デオキシリボ核酸(遺伝子の本体)は、直径約2ナノメートル(ナノは10億分の1)という、極細の糸のようなものです。ヒトの全DNAをつなげると長さ2メートルにもなります。それが、直径わずか10㎛(マイクロメートルは1千分の1ミリ)程の細胞核に収納されています。
いわば、わずか直径4cmのゴルフボールに長さ8kmの糸を詰込んでいるようなものです。どうやって、これ程の長さの糸を収納できるのでしょう?(8km=徒歩約2時間の距離、東京駅から池袋駅までの直線距離)

従来の概念を覆す、新発見が相次いでいます。

DNAはまず、「ヒストン」というタンパク質8個に約2回弱巻かれ、「ヌクレオソーム」という構造を作ります。電子顕微鏡で観察すると、糸で繋がったビーズ状のヌクレオソーム「太さ」は10ナノメートルほどです。
従来の学説では、ヌクレオソームは次に螺旋状に規則正しく束ねられた太さ30ナノメートルの「クロマチン繊維」になると信じられていました。その理由として、透過型電子顕微鏡での観察で、太さ30ナノメートルの構造が見つかったからです。それがさらに規則正しい繊維構造を作り、核の中に収納されていると考えられていました。

ところが、最近の研究では、DNAはかなり「いいかげん」に折りたたまれていることが分かってきました。
発見したのは、国立遺伝学研究所の前島一博教授らの研究チームです。通常の電子顕微鏡とは違った、生きた状態に近い細胞を観察できる「クライオ電子顕微鏡」や「X線散乱」を使い、人の身体の細胞核を詳しく調べたところ、いくら観察しても「30ナノメートルの繊維構造」が見つからなかったそうです。
前島教授は、「これまでは、細胞を直接観察できないためヌクレオソームを細胞外に取出しで観察用試料をつくるしかありませんでした。この過程で、ヌクレオソームがあたかも規則正しく束ねられたかのような状態に変化したのではないかと考えています。」と説明されています。
従来の学説では、人間の身体の細胞数は「約60兆個」と言われていましたが、最近の研究でその約半分「約37兆2000億個」との新説が出るなど、科学や医学は加速度的に進歩しています。

「がん」も外来通院で簡単に寛解できる日が早く来ること願っています。

出典(朝日新聞6/3の記事より一部抜粋)