「がん探知犬」をがん検診に導入の紹介ページです。斎藤院長コラムを掲載しています。

 

更新日:2017.07.27

「がん探知犬」をがん検診に導入

サーモセルクリニック院長の斎藤糧三です。

母校の日本医科大学千葉北総病院 消化器外科教授 宮下正夫先生の研究事業の一環として、今年の5月より山形県金山町の町民に向けた健康診断で、「がん探知犬」による検査が開始されました。
犬の嗅覚は人の百万倍~1億倍といわれ、その嗅覚で人の尿を嗅がせ、早期がんの発見に役立てようとの取り組みです。
受診者は尿を少量採取するだけ、採取した尿は冷凍し、山形県から千葉県の病院へ搬送されます。内視鏡検査に比べて身体の負担も少なく、がんの早期発見につながると期待されています。
金山町を含む最上地域では、胃がんによる死亡率が高いとの記事を目にした金山町長が昨秋、がんの臭い物質を研究する同教授が講演に訪れた際、相談したところ、研究事業として協力を快諾されました。
実際の検査は、探知犬の育成施設でおこなわれ、犬は「がん」の臭いを嗅ぎあてると振り返ったりして知らせます。訓練担当者によると、疲れたり飽きたりすると精度が落ちるため、検査は1頭当たり1日5~6回が限度、犬は、臭いを当てたら褒めてもらえるゲーム感覚で楽しんでいるとのことです。
受診者には約3ヶ月後に結果が伝えられ、陽性と診断された場合、がんの部位の特定や治療を金山町の診療所がフォローする体制で行うことを計画中です。
宮下教授によると「探知犬によるこれまでの研究では、ほぼ100%の確率でがんを当てた」とのこと、探知犬が感知するがん特有の臭い物質はまだ分かっていませんが、将来的には成分を特定し、機械を用いた検査を目指しています。
国内で働く「がん探知犬」は現在5頭、いずれもラブラドール・レトリバー、遺伝的に鋭い嗅覚を持つことが条件で、1頭育てるのに約500万円の費用が掛かるとのことです。がん探知犬の健診への活用は世界的にも例が無く、研究で得られたような精度が臨床でも発揮されることを期待したいです。
出典:(千葉日報6/18の記事より一部抜粋)